ボードゲーム上で侘び、寂びを想う

京都にある龍安寺というお寺に観光などで行かれた事はありますか?
私は残念ながらないのですが、ここの庭園は波模様が描かれた真っ白な砂に、石がポンポンと置いてある風景が有名ですよね。
この砂が敷き詰められた様式の庭を「枯山水」と言って、上の龍安寺がその代表的な観光スポットになります。
枯山水とは水を一切使わず、砂や小石で波紋を描き、それを波や水面として表現する手法で、室町時代に禅宗が栄えた際に寺院で多く用いられ、発達したとされています。
静寂すら感じる美しい庭である印象を持つ方が多いと思います。

一回行ってみたいなぁ…
ところで、少し前にネットで話題になったボードゲームで、同名の「枯山水」という一風変わったゲームがあります。
あまりの売れ行きに生産が追いつかなくなり、しばらく出荷停止となっていたのですが、ついに再販が始まり、先日我が家にも届きました。
ゲーム内容は、自分が禅僧になって枯山水を誰よりも美しく作るというもの。
自分のボード上に15枚の砂紋札と石を配置し、得点を競うのですが、これが結構奥が深い。
砂紋札にも色々あり、渦の模様が描かれた物、苔のある物などを上手く配置して連続した模様にし、高得点を目指します。
プレイヤーは禅僧なので、自ターンで「徳」と呼ばれるポイントを貯めることが出来るのもユニークな点のひとつ。
この徳を使って、枯山水庭園に欠かせない石を配置したり、相手が山札から引いた砂紋札を強奪したり、あるいは札を廃棄したりします。
他に、千利休をはじめとする作庭師カードという支援カードでゲームを有利に進行させたり、指定された寺院の庭になるように石を配置すると高得点が貰えるサブミッションがあったりと幅広くゲームが展開されていきます。

プレイした所感ですが、自分のボード上で段々出来上がっていく庭が、ゲーム終了後には愛おしくなるまさに箱庭ゲーでした。
なので得点での勝ち負けはあるものの、たとえ負けても全然悔しくないんですね。相手への妨害行為も少ないゲームだからかもしれません。
自分と向き合いながら限られた札と石で「日本の美」を追求する…これこそ「侘び、寂び」ではないでしょうか。
「枯山水」、パッケージからも渋さがにじみ出ています。外国の方にも喜ばれるゲームだと思いますよ。
皆さんにも是非、機会があればプレイして欲しいボードゲームです!
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